グローバル時代に求められる真のリーダーシップとは?

日本企業の海外進出に伴い、地球規模でビジネスを行なうことが珍しくなくなった今、会社としてはどのような素養を持った人材にリーダーを任せるかが大きなキーポイントになっています。今回は、グローバル時代におけるリーダーシップとはどのようなものか、そしてどのような人材が求められているかを考察していきます。

グローバルリーダーシップに必要な要素

それでは、グローバル時代に必要なリーダーシップの素養とはどのようなものなのでしょうか。

その前に「グローバルなリーダー」とはどのような意味の言葉かを考えてみましょう。「英語が堪能な人」と考える人もいますし、多くの外国人の中にいる日本人と考える人もいます。しかしながら、海外出身のグローバルリーダーと呼ばれる人には、ある共通点があります。それは、しっかりとした世界観・歴史認識・知識を持っているということ。そのような人間の生き方・国家の在り方に対する知見……「人間力」ともいえる素養を持っていないと、ビジネス的に互角の相手にしてもらえないという現実があります。

また、余力ではなく全部を差し出す「奉仕の精神」が求められます。海外ではロータリークラブと呼ばれる奉仕活動・寄付活動を行なう団体は一般的ですが、日本では「余力のある人が生活に響かない程度に差し出す」という文化が根付いています。しかし、海外ではリーダーたるものすべてを差し出すという考え方が一般的であることから、この差を埋める必要があるということです。

グローバルリーダーを育成するには?

では、そのようなグローバル時代に必要なリーダーはどのように育成すれば良いのでしょうか。

リーダーには積極的なアウトプットが求められますが、そのためには「読み・書き・そろばん」に代表されるような、ビジネスパーソンとしての基礎的スキルをしっかり鍛えなければなりません。そこに「考える」という要素を加え、繰り返し繰り返し実践することで自分の知識にする……このようなことができる粘り強さ、精神的な強さであるレジリエンスを持つリーダーを育成することが求められます。

ヨーロッパを代表する心理学者でレジリエンス研究の第一人者であるイローナ・ボニウェル博士によると、レジリエンスを高めるためには、「必要なのは思考の柔軟性。どんなに厳しい状況でもポジティブな面を見出すことができる力があれば逆境を乗り越えられる」と語っています。

つまり、基礎を磨き、柔らかな思考を持ってワールドワイドなビジネスに立ち向かえる人物こそ、真のグローバルリーダーになりえるというわけです。

ゴーン氏が考えるグローバルリーダーシップ

最後に、世界を代表するグローバルリーダーであるカルロス・ゴーン氏が考えるリーダーシップを紹介しましょう。

ゴーン氏は著書『カルロス・ゴーンの経営論』の中で、グローバルリーダーの人物像とは、社外の人々から見られる側面と社内の従業員から見られる側面の2つがあり、これらには大きく異なる部分があると語っています。前者は、複数の言語を話し多くの国に住んだことのあるリーダーで、後者は従業員に対しオープンに接し学びの意欲があり世界こそがビジネスの舞台だと考えるリーダーです。

またゴーン氏のように、複数の言語を操りさまざまな地域で暮らしてきた人物はグローバルリーダーになりやすいが、今はインターネットの発達で海外の知識を得ることができるので、生まれ持った環境でグローバルリーダーになれないわけではないとも語っています。大切なのは、自分からさまざまな文化・市場に接することができる仕事を求めるかどうか……つまり、自分がグローバルリーダーという生き方を意識し、行動するかどうかにかかっているというわけです。

このように、真のグローバルリーダーシップとは表面的なことではなく、経験に基づくマインド面が非常に強く働くということです。「人間とは」「日本人とは」「社会とは」といったことに対する見識を高め、強い精神力を手に入れることが、グローバルリーダーへの一歩と言えるのです。

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