カルロス・ゴーン流 自然と部下がついてくる人になるためのリーダーシップ論

崩壊寸前、瀕死の状態だった日産自動車を救ったカリスマ経営者カルロス・ゴーン氏。優秀な経営手腕もさることながら、常に社員に気を配り、優れたリーダーシップを発揮する経営者としても有名です。今回は、部下を持つビジネスマンや経営者のために、カルロス・ゴーン流のリーダーシップ論をご紹介します。

周囲の動かし方。部下がついてこない人の特徴

頭も良いし、仕事はできるのに、なぜか部下がついてこない人がいます。「良い部下に恵まれないな…。」そう思っている方。実は、自分自身が良い上司になれていないのかもしれません。

部下がついてこないワンマン上司には、このような特徴があります。

  • 言葉足らずで、目標が共有できていない

1言ったら10わかると思っている人。自分がわかっていることと相手がわかっていることの違いを把握していますか?部下は、あなたの話に全然ついてきていないかもしれません。

  • なんでも自分でやってしまう

スキルが高い上司にありがちなパターン。自分でやった方が早いといって、本来部下がやる作業まで全部巻き取ってしまうタイプ。これでは全く部下が育ちません。

  • 自分の成果にならないと気が済まない

チームみんなで頑張って達成した目標を、無意識のうちに自分の手柄にしていませんか?部下は認めてもらえないと感じ、モチベーションは下がる一方です。

上記に1つでも当てはまると感じたあなたは、要注意です。優れた上司は、自分ではなく周囲を動かします。では、どうすればリーダーシップが身につくのでしょうか?

ここでは、誰もが達し得なかった目標を次々と成し遂げてきた、平成のカリスマ経営者、カルロス・ゴーン氏を参考に、リーダーシップのコツを学んでいきましょう。

危機的状況の中でのリーダーシップ

事業運営をしていく中では、いつも計画通りにいくことなどありえません。いざという時にリーダーシップを発揮できるかどうかで、部下がついてくる上司になれるかどうかが決まります。

そこで、リーダーが常に考えておかなければならないのが、「危機的な状況下で、どのような対応をするか」ということです。

ゴーン氏が語る、危機下のリーダーシップに必要なものは以下の3つです。

  • 客観的な状況判断と分析
  • 現場への権限移譲
  • 勇気を持って戦うこと

それでは、順に見ていきましょう。

客観的な状況判断と分析

2012年、日系自動車メーカーの中国における販売台数が激減し、生産調整を余儀なくされた時、まずカルロス・ゴーン氏が行ったことは、中国の販売店における集客数をモニタリングすることでした。

危機的状況の時には、速やかに指標を決め、希望的観測や予断を持たずに、現状を常に注視する。数字を元に判断・分析することが、まず第1に重要なことだとゴーン氏は言います。

現場への権限移譲

危機においては、経営層の権限を集中させない方が良い場合があります。東北大震災の際、日本中のメーカーにおいて、東北エリアの工場が甚大な被害を受けました。当時CEOだったカルロス・ゴーン氏は、実際に現地を訪れ、さらに現場に通常以上の権限移譲を行いました。これにより、日産は他社に先駆けて工場の再稼働が実現しています。日頃の部下との信頼関係があってこその判断といえるでしょう。

勇気を持って戦うこと

「達成できなければ総退陣」通常では考えられないような発言で、日本中に衝撃を与えた、カルロス・ゴーン氏による「日産リバイバルプラン」の発表。ここまで言われたら、社員もやるしかない、と思いますよね。
厳しい決断をする時には、自分自身にも不都合な軋轢が生じることがほとんどです。そんな時に勇気を持ってやりきることができるかどうか。それこそリーダーシップの真髄ではないでしょうか。

また、常日頃から危機に迅速に対処できる体制を構築しておくことも非常に重要です。そのためには、起こりうる事象を予測しておくこと、また、部下ひとりひとりとコミュニケーションをとり、信頼関係を築いていくことを忘れないようにしましょう。

強いリーダーは短期的・長期的に物事を捉え、判断する

カルロス・ゴーン氏が大切にしている、リーダーとしてのあり方。それは、「短期的な対応と中長期的なビジョンを両立すること」です。

リーダーは、常に起こる問題の中で、最適解を即座に提示し、決断する。一方で、中長期的なビジョンに対して、いま会社が向かっている方向は正しいか、現状を正確に把握し、部下を導いていく必要があります。その両方を行うバランス感覚を磨くことこそ、強いリーダーに求められている能力なのです。

真のリーダーシップとは?

危機的状況においての判断力もさることながら、カルロス・ゴーン氏の凄さは、組織の目標と個人の目標を繋げ、社員自らやる気にさせる仕組みづくりを普段から作り上げているところにあります。そして、数字に対しては誰よりも厳しく、しかし何よりコミュニケーションを大切にし、ひとりの人として部下を尊重する姿勢を崩さない、愛嬌のある人間性が、カリスマと呼ばれる所以なのでしょう。

リーダーとは、自分でなるものではなく、周りが決めるものです。部下との関係に悩んでいる方も、カルロス・ゴーン氏を参考に、優れたリーダーシップを身につけていきましょう。

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