公的機関が新規事業をバックアップ。経営革新支援とは?

ビジネス環境が厳しさを増す中で、企業には経営革新が求められています。経営革新とは、新規事業をはじめ、新商品・新サービスの開発、新規販売ルートの開拓といった、経営の新しい戦略を構築していくことをさします。中小企業はもちろん、大企業においても経営革新は現代では必須といえるでしょう。ここでは、「中小企業新事業活動促進法」にもとづく、国や自治体が提供する経営活動支援の取組みを紹介します。また、経営の革新を図るためには、それを推進できる人材の育成も必要です。そのため、「変革推進者」の育成方法についても解説いたします。

 

中小企業新事業活動促進法にもとづく経営革新支援

経済産業省の中小企業庁では、経営革新に取り組む中小企業を様々な形で支援しています。各都道府県の自治体に「経営革新計画」を提出して承認を得れば、政府系金融機関の低利融資、信用保証の特例などの様々な支援が受けられる仕組みとなっています。経営革新計画とは、端的にいえば新規事業のビジネスプランです。3年から5年のスパンで、新規事業の内容(新商品や新規販路など)と具体的な数値目標を設定したビジネスプランとなります。活用した企業からの声として「経営目標が明確になった」、「会社の進むべき方向が明らかになり、社員の意識が向上した」といった声が寄せられています。新規事業を検討されているなら、ぜひ活用することをおすすめします。

経営革新計画支援の事例

経営革新計画支援は、これまで4万件以上のプランが承認されており、多くの事例があります。その中の成功事例を紹介しましょう。

ステンレスやチタン等の精密加工を強みとする、山形県の伊藤製作所では、その得意分野を活かして経営革新計画に取り組みました。精密機械部品の素材調達~機械加工~表面処理~組立~性能検査までの一貫作業を確立し、半導体製造用バルブの世界シェア60%以上を達成しました。この事例からもわかるように、新規事業といっても、まったく新しい分野に進出するのではなく、既存の資源を活かした取組みも有効であることがわかります。

二つめの事例は、総合工事業を営む株式会社ダイゴの取組みです。ダイゴは建設業を営んできましたが、公共工事案件の減少に悩み、新規事業に取り組みました。その新規事業とは、食材の配送サービスです。市内の病院から病院食を配送しています。建設業も含めて町の「環境・福祉・健康」をサポートする企業として経営革新計画を作成したそうです。逆風の時代にあって、従来のやり方にとらわれない大胆な変革もときに必要となります。この事例は、社会問題である弱者の食材調達に着目した成功事例です。新規事業の成功には、時代をしっかり観察する力が必要といえるでしょう。

 

 

 

変革の推進者を育成しましょう

経営革新を遂行するには、外部からのサポートも大きな味方ですが、実際に推進していくのは社内の人材となります。そのため、変革を推進できる人材を育てなければ、どれだけサポートがあっても成功はおぼつかないでしょう。

変革推進者に必要な資質は「強靭さ」と「柔軟さ」を併せ持った人材です。「強靭さ」とは、厳しい課題を目の前にしても、明確な決断ができる能力をいいます。反対に「柔軟さ」とは、自分の考えに固執せず、その場の状況に応じてしなやかに思考できる人材をさします。一見、正反対にも見える二つの資質をもった人材を育てていく必要があるのです。どのような革新計画がよいか、と考える前に、経営の革新を担う人材をどのように育てるか、を考えていきましょう。

 

経営の革新が求められる時代

国が経営革新の支援を実施しているのは、それが時代に求められているからです。ビジネス環境は、従来のやり方だけでは通用しなくなっています。経営革新支援を上手に活用して企業としての付加価値を高めていきましょう。また、それを担う人材を早期に育成していくことが肝要です。

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