「経営者になる」その覚悟が育成のカギ

将来の企業の担い手である次世代の経営者を育成すること……それは、企業の未来にとって最重要課題といっても過言ではありません。将来の経営者が育成できなければ、その企業が永続的な社会活動を行えなくなってしまいます。それでは、その次世代の経営者を育成するためには、どのようなことが必要なのでしょうか。今回は、さまざまな観点から、経営者の育成方法について解説してみたいと思います。

経営者育成に必要なこと

経営者を育成するときに必要なことは、「経営者を育てる」企業側の覚悟と、「経営者になる」という思いをもっている社員の覚悟の両方が必要となります。

これが片方の覚悟しかできていない場合は、企業は経営者として育てる気が満々なのに、社員にやる気が全くないケースや、社員は経営者になるつもりで働いているのに、企業側が後継者の育成に熱心ではないケースなどがあります。これらの場合では、なかなか育成はうまくいきません。企業と社員、両者の思いが一致することで、盤石な経営者育成が実現するというわけです。

覚悟を決めるために

それでは、経営者の育成を円滑に進めるためには、どのようにすればよいのでしょうか? まず、現経営者側(企業側)の観点から見てみましょう。現経営者は、次期経営者候補を見極め、積極的に「あなたを経営者に育てたい」という気持ちを伝えていく必要があります。つまり、経営ボードで「この人(たち)を次期経営陣に育成していく」という合意形成を行い、彼らへの期待を伝え、経営者になる決意を促していくということです。

ある調査では、この合意形成がない企業においては経営者育成がすべて失敗しているというデータもあります。それだけ、現経営者側の覚悟が大切になるというわけです。そして、次期経営者側の観点から見ると、会社からこれだけの期待がかけられるわけですから、その期待に応えられるよう努力をしていかなければなりません。そのなかで、不安になることもあるとは思いますが、そこは現経営者側が丁寧なコーチングを行い、「経営者になる」という覚悟を醸成していくことで、お互いのベクトルを同じ方向に向けていく必要があります。次期経営者の「強み・弱み」を明確にし、強みを伸ばしながらキャリアの可能性を探り会社の方針にアジャストさせていくことで、円滑な経営者育成が可能になります。

経営者になる人材に求められることとは?

最後に、次期経営者候補になりうる人材に求められることを検討してみましょう。企業のビジネスフィールドにおける「高度な経営知識」や「専門的な戦略・理論」はもちろんですが、それ以外にも重要なことがあります。それは、「戦略を推進する強力なリーダーシップ」と「人格的に傑出した資質・能力」です。

知識・戦略・理論については、自分自身の努力である程度身につけることができますが、リーダーシップや人格に関しては、先述した現経営陣によるコーチングが大きな力を発揮します。経営者候補のやる気にプラスして、周りがしっかりサポートしていくことで立派なリーダーに成長していくというわけです。そのためには、セミナーや研修のような物理的なフォローだけでなく、不安を解消していく精神面でのフォローも大切になります。

そして、昨今では、このリーダーシップをほかの社員に知らせるプレゼンテーションも重要になってきています。「このリーダーについていきたい」と思わせる、プレゼンテーションスキルこそが次世代の経営者に求められることなのです。知識や戦略をしっかり押さえたうえで、会社のビジョンを提示できる人材が、次世代の経営者候補にふさわしいと考えられています。

このように、現経営者側・次期経営者側の両方のベクトルが一致することを前提として動いていくことで、円滑な経営者育成が可能となるのです。

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