“考える羅針盤”。経営学でさまざまな経営課題に思考できる力を身につける

“考える羅針盤”。経営学でさまざまな経営課題に思考できる力を身につける

「“畳の上の水練”で経営ができるのか」。このようなことわざがあるように、経営学を学んでも実際の経営には役に立ちづらいと思っている経営者も多いようです。しかし、実際はどうなのでしょうか。現代社会は、少子化や産業の空洞化、グローバル化の進行など、企業経営をとりまく環境は混迷をきわめています。また、新しい常識が次々と生まれてくるなど、従来にはない変化の早い時代に突入しています。

そんなスピーディな決断が求められる時代に、経営者は斬新かつ広い視野をもって、未来を見据えて総合状況を分析し、決断していく必要があります。経営学は、企業を経営していくうえで、“考える羅針盤”です。では、どのように経営学を実際の業務の中に取り入れていけばよいのでしょうか? その手法をご紹介します。

経営学とは経営者の汗の結晶

経営学は、端的にいえば企業が有するヒト、モノ、カネ、情報という経営資源を、いかに効果的に配分していけばよいかを考察する学問です。学習領域は大きく分けると「企業の戦略」と「組織マネジメント」です。まず、「どのように企業を成長させるか」という戦略を設計し、それにもとづいて「どのような組織マネジメントをしていけば戦略を達成できるか」と考えていきます。

経営学は、よく「経済学」と混同されがちですが、経済学はあくまでも経済的側面から、社会、人、企業を考えます。経営学は、企業を中心に見据えて、企業で働く人材の意思決定とそのメカニズムを学んでいきます。類似性はありますが、目的が大きく異なるのです。

経営学には、100年以上の歴史があります。フレデリック・ウィンズロー・テイラーが自らの経験をもとにした科学的管理法の原理が経営学の基礎といわれています。そして、40年代から60年代になると、産業心理学や経営戦略論が登場し、専門家による専門領域の研究がなされ、経営学はより重厚さを増していきました。現代でも、経営者の研究からさまざまな経営論が発表されています。

チャン・キム教授らの『ブルーオーシャン戦略』やC・K・プラハラッドとゲイリー・ハメルの『コア・コンピタンス経営』などの経営戦略論は、有名なのでご存知の方も多いでしょう。経営学の歴史を通じていえることは、自らの体験や成功、または失敗事例の研究をもとに、その理論が構築されてきたことです。そういう意味でも、経営学は経営者の知恵と汗の結晶といえるでしょう。このように、経営学を実際の社会で活かし、役に立てるためにも、理論が先にあるのではなく、事象が先にあって、それを体系化させる必要があります。だからこそ、企業理念も規模も違うさまざまな企業経営に活用できる理由のひとつなのではないでしょうか。

経営学を学ぶことでさまざまな経営課題に対応できる力が身につく

経営学にまつわる誤解のひとつに、経営に関する一般論が安易にマニュアル化されており、現場は役に立たないという声があります。経営はマニュアル通りにはいかない、つまり、経営学は役に立たないという考え方です。しかし、これは大きな誤解です。

経営学は、マニュアルどころか、答えを与えてくれる学問ではありません。経営学を学んで、それを暗記するのではなく、知恵を絞らなくては学んだ経営学は生きてきません。経営における財務はどうあるべきか、マーケティングの理論、リーダー論など、経営に関わるさまざまな状況のなかで、「どのように考えていけばよいのか」という視点と知識を与えてくれる学問です。経営におけるさまざまな課題に対して対応できる力を授けてくれるでしょう。

経営者だけではない。経営学はすべてのリーダーに必要な学問

経営学というと、あくまで経営者向けと思われがちです。しかし、経営学は、リーダーシップ、モチベーション、コストの考え方など、幅広い役職に有用な多角的な視点と知識も学ぶことができます。実際、経営学を学ぶことで、毎日のニュースや世の中の企業を見る目が変わったという人もいます。毎日の業務を遂行するうえで、知識の引き出しが多くなります。どんな立場や役職においても、学ぶ価値があるといえるでしょう。

経営学は今の時代に求められる学問

経営学を学ぶことで得られる「多角的思考」は、現代の厳しいビジネス環境で必須のスキルといえるでしょう。経営者が企業運営をする際はもちろん、どのようにチームを導けばよいかを考えているリーダーにも必要です。そして、現代は一般社員も自ら考えて動く主体性が求められるので、多角的思考は有益でしょう。まさに、経営学は今の時代に、とても重要な学問なのです。

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