人材育成プログラム策定のポイント、組織力を上げる戦略的教育とは

テクノロジーの発展やグローバル化によって、企業経営を取り巻く環境の変化が激しい昨今、企業の競争力を高めるために、人材育成プログラムは欠かせないものとなっています。今回は人材育成プログラムへの投資効果を高め、組織力を上げるための人材育成プログラム構築について見ていきましょう。

人材育成プログラム策定にはまずは経営戦略の見直しから

人材育成の出発点は「会社が将来的にこうなっていたい」というビジョンを明確にすることです。企業が目指す方向が決まり、何を行うか、という戦略が立ったら、次にどのような人材や職務能力が必要か定まってきます。これをもとに、人材育成プログラムを策定していきましょう。

具体的な人材育成プログラムを策定するためには、まずは、求める人材像に対して、現状の職場環境はどうなっているか、調査・分析を行います。次に、理想像と現状が乖離している部分とその要因を明確にし、ギャップを埋めるために何が必要なのか、洗い出していきます。このようにして、社員へ提示する研修目的ができ上がります。

研修目的ができたら、各プログラムの目標とカリキュラムを定めていきます。新入社員向け、2年目の社員向けなど、複数のプログラムを同時に策定する際には、各プログラムに関連性をもたせていくといいでしょう。自社に合わせた独自の研修体系をつくり、より効率的に人材育成を進めていけるように工夫していきましょう。

新入社員、若手社員に必要な人材育成プログラム

企業内のポジションや役職によっても、人材育成プログラムの内容は異なってきます。新入社員の場合は、ビジネスパーソンとして必要不可欠な、ビジネスマナーなどの基礎、そして、自社商品や業務などの根本的な企業ミッション、扱う商品の市場や業界における競合や基礎知識の習得が必須です。また、企業人としてのグループワークや体験型の研修、OJTを通して、社内、社外、両方においての人との関わり方などを学びます。新人研修を2〜3年目の若手社員が行うことで、双方の立場の人材育成プログラムとして活用している企業もあります。

上記のようなグループ研修が終了したら、業務と会社の雰囲気に慣れてきた若手社員に対しては、個別の社員にキャリア形成の支援をする必要があります。それぞれの社員が抱える現状の課題と今後のキャリア形成や方向性を定めます。研修やワークショップを通じて、社員満足度の向上による離職率の低下が期待できるとともに、会社が目指す目標へ、より近づくことができるでしょう。

ビジネスリーダーを育成するためのプログラムとは

中堅レベルに達してきた社員のなかから、有能な人材を見極め、将来の会社の核となるリーダーを育成するためには、多大なる時間と手間がかかります。だからこそ、会社の未来を見据え、早いうちから自社のリーダー育成に取り掛かることが重要です。それでは、どのような視点でリーダーとしてのポテンシャルをもつ人材を発見すればよいのでしょうか? 3つの代表的な要素を紹介します。

ビジネスリーダーに求められる3つの要素

ビジネスリーダーには、経営資源を効率的に活用し、会社の目標やビジョンを達成することが求められます。特に、以下の3つの要素が必要となります。

  1. 知識力:本人がもっている高い専門性や知見、経験にもとづくノウハウ
  2. 意識力:高いモチベーションと強い責任感、精神の強さ
  3. 行動力:マネジメントに必要な統率力、視野の広さ、自走力、決断力

効果的なビジネスリーダー育成プログラム

対象者が選定できたら、会社が求めるリーダー像に近づけるための人材育成プログラムを策定します。具体的には、以下のような会社経営に求められる科目を、OJT、OFF-JT、自己啓発の組み合わせで人材育成プログラムとして策定していくとよいでしょう。

  • リーダーシップ
  • 人材マネジメント
  • マーケティング
  • 経営戦略
  • ファイナンス
  • プレゼンテーション
  • ファシリテーション
  • 統計・分析
  • クリティカル・シンキング
  • アカウンティング

自社独自のプログラムを策定するのが望ましいですが、人材育成に関する自社ノウハウの不足や、教育に当たる人的資源が限られている場合などは、人材育成や研修サービスを行っている会社に相談するのもよいでしょう。また、国内専門大学院でのMBA取得支援なども効果的といえます。

人材育成プログラム実施後は必ず効果測定を

人材育成は、社員の自主性、自発的な学び欲だけに期待してはいけません。会社の目標を達成するためには、人材育成プログラム担当者がどのようなことができる人材を、いつまでに、何人育成するのか、戦略的に考え、実行していきましょう。また、プログラム実施後はしっかりと効果測定を行い、内容の改善や振り返りを繰り返していくことも重要です。

企業として人材育成への積極的な投資や改革を行うことは、社内の有能な人材が流出することを防ぐこともでき、競合企業との優位性を高めることにもつながります。企業独自の人材育成プログラムを構築し、自社が生き残っていくために、商品やサービスの差別化だけではなく、人材の差別化をしっかり図っていきましょう。

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